HACCPの意義とその手法

2018年6月に原則としてすべての食品等の事業者を対象に、「食品衛生法等の一部を改正する法律」が公布されました。

この法律は、国際基準であるHACCP(ハサップ)に対応しています。HACCP(ハサップ)とは、「HazardAnalysisandCriticalPoint」の頭文字を取った語ですが、グローバル化した社会において、日本の食や食品を取り巻く環境が変化してきているため、国際基準に合わせた食の安全や安心を確保することが急務になっていることが、HACCPを導入する意義となっています。そして、最近ではO157やノロウイルスなど食中毒のニュースが注目されますが、日本では食中毒の約60%が飲食店で起きていることを考えると、適切な衛生管理の重要性がわかります。ではHACCPはどんな手法で実行されるのでしょうか。

具体的には、食品規格委員会が定める7原則12手順によって進めることになります。食品を顧客に提供するまでには、原料の受け入れ・入荷・保管・加熱・冷却・包装・出荷などの行程を踏みます。その各々の工程ごとに、微生物による汚染や異物の混入などを想定して、特に重要度の高い工程を連続して、継続して監視し、記録していきます。さらに最終的な製品に対して抜き取り検査を実施することで、安全性に問題がある製品の出荷を防止できるとしています。なお、日本でHACCPが施行されるのは公布の2年後である2020年で、1年の経過措置後にはすべての食品等の業者が制度を導入する必要があるため、手順の明確化などが急務です。

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