冷凍マグロの超低温温度管理

私たち日本人に愛されているマグロは、寿司のネタとして国際的な脚光を浴びるほど有名になりました。

しかし、この魚はとてもデリケートな性質を持っており、その身を新鮮な状態で食すために、漁師さんは相当の苦労をしています。一般的に、遠洋漁業の漁船では、日本で刺身用として提供するマグロを釣りあげて港に戻ってきます。長期間にわたる航海ですから、遠く離れた日本の地まで新鮮なマグロの状態を維持することは大きな課題でした。それを可能にしたのが、我が国の冷凍技術の進歩なのです。

1970年代に至るまでは、マイナス40度まで凍らせるのが精いっぱいのレベルでした。しかし、それではマグロの鮮度を十分に保つことが出来ず、解凍後のマグロのヘモグロピンが劣化してしまい、味が格段に落ちる結果を招いていたのです。その後、マグロ漁業界と冷凍庫を製造する企業が工夫を重ね、マイナス60度という温度管理が出来るまで、冷凍技術を進歩させたのです。

マイナス60度という超低温の温度管理によって、たんぱく質の分解を防ぐことができ、脂肪の酸化も阻止することが可能となります。この技術革新によって、デリケートなマグロを美味しく、とれたてのような状態で食すことを可能としたのです。超低温の温度管理は言葉で言うほど簡単なものではありません。日本の工業技術と漁業界の方々のたゆまぬ努力が実を結んだ証とも言えます。まぐろは日本人に馴染みが深く幅広い世代に愛されている食材です。しっかりとした温度管理によって、美味しいマグロを食べ続けたいものです。

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