HACCPの概要と日本の事業者への普及

HACCPは食品製造における安全性の確保を主眼とした管理方法の事を指しており、日本語に直訳すると危害分析重要管理点と言います。

食品には科学的や生物的などの様々な危害の要因が考えられますが、それらを除去するために行なう工程の管理や記録が主な内容です。製造段階および出荷の行程において、危険物質や異物の混入の可能性がありますので、どの行程で危険が発生しやすいのかなどを予測しながら、細かくデータ化する事によって未然に防ぐ事を目指します。HACCPは12の手順と7つの原則から成り立っており、チーム編成から一覧図の作成、そして重要管理点の決定など様々な基準が設けられている事が特徴です。

このHACCPはアメリカの宇宙開発で知られるアポロ計画が発祥とされており、宇宙食の安全確保という観点から構想されたのが始まりです。その後1973年にアメリカの食品医薬品局が缶詰の製造基準としての法規制を実施し、世界的に普及が進んでいくきっかけにもなっています。そして2018年には日本の国会で各食品事業者に対してこのHACCPを義務化しており、2021年までには全ての事業者がこの制度を導入する事を計画しています。HACCPは手順や行程が複雑でありながらも、食の安全性の確保という観点からは大切な内容であり、消費者側へのメリットも多数存在している事から、食品を扱う事業者にとっていち早く導入を進めるべき制度でもあるでしょう。

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