温度計に比べると湿度計センサーというのはあまり馴染みがないかもしれません。
温度のほうは、例えば電子体温計、冷蔵庫、電気ポットなどちょっと考えるだけでも非常に幅広く使われているのですが、湿度計センサーとなるとおそらく日常的なところで使われているのは湿度調整機能のついたエアコンや加湿器、除湿器、空気清浄機くらいのもので、種類としては多いかもしれませんが機能的にはバラエティに富んでいるとはあまり言えません。
温度に関しては、室温のみならずたとえばお湯を沸かすとか冷蔵するといったように、その機器において温度を把握したり調節することが求められるケースがいろいろと多岐にわたっているのに対し、湿度については結局のところ室内の湿度だけに限られることが多いためでしょう。具体的に湿度計センサーとして用いられる原理としては、ある種の半導体が使われることが普通です。半導体の中には、湿度によって電気抵抗が変化するものがあります。
単純に考えれば良いのですが、水は一般的な半導体よりも明らかに電気を通しやすいため、湿度が上昇してその半導体が水分を多く含むようになると電気を通しやすくなって抵抗が下がるということです。原理的には単純ですが、少しの湿度変化でも十分に測定可能な程度に大きな抵抗値の変化を示す半導体とか、あるいは測定装置として十分に実用的なほど短い時間で変化するような半導体は限られており、そのような素材が用いられています。