HACCP(ハサップ)は、アメリカで生まれた食品衛生管理手法のことで、従来の手法よりも食品の安全を守る効果が高いということで、アメリカのみならずヨーロッパなどの他の国々でも採用が進んでいます。
従来の食品衛生管理手法というのは、製品が出来上がった後に一部の物を抜き取って検査していました。しかし、この抜き取り検査法では、製品を生産する工程のどこで有害な物質や異物が混入したのかの特定が難しいですし、有害な物質が入った製品を見逃してしまう危険性も高くなってしまいます。HACCPでは、このような従来の食品衛生管理手法を改善するために、問題が起きやすい箇所をあらかじめ分析・予測し、そこを重点的に監視することによって問題が発生するのを防止します。
HACCPを利用すれば、生産している製品に何か問題が発生した時に、原因の追及が簡単にできるようになりますし、対応策を立てるのも容易になります。それは、製造ラインの各工程を分割して細かく監視しているからに他なりません。抜き取り検査では、製品に問題が見つかったら、まず製造ラインのどの工程で問題が発生しているのかを特定する作業から始めなければならないのです。
これはとても時間がかかってしまい、長時間製造ラインのストップを余儀なくされてしまうでしょう。つまり生産性が低下してしまうことになりますし、社員のモチベーション低下にも繋がってしまいます。日本でもこのHACCPの認証を受ける企業がどんどん増えてきています。